草津白根山の火山ガスについて
最終更新日:2018年4月20日 登録
草津白根山(湯釜付近)及び本白根山は活火山であることから、同山周辺には有毒な火山ガス(硫化水素ガス(H2S))の噴気地帯が点在しており、登山者等の事故防止と安全を図るために当町では様々な安全対策を行っています。
【過去の草津白根山系での事故経緯】
昭和46年と51年に痛ましい死亡事故が発生してしまいましたが、その後の安全対策の充実により、現在中毒事故は発生していません。
・昭和46年12月27日
振子沢で滑走中のスキーヤー6名死亡
ボーリング井戸跡からの高濃度ガスによる事故。
その後ボーリング跡は埋め立てられ、同所でのガスによる事故は発生していない。
また、近くにごく少量のガス噴気箇所があるため万全を期するため、草津町単独で昭 和47年に硫化水素ガス自動警報装置を設置し、ロープウェイ山麓駅にて常時観測して いる。
・昭和51年 8月 3日
万座温泉から本白根山登る途中(通称:本白根沢)にて、女子高生2名と引率の先生 1名(計3名)死亡。
【安全対策】
51年の事故後、当時の群馬県知事(現在は県自然環境課長)が会長となり、「草津白根山系硫化水素ガス安全対策連絡協議会」を組織、人が入りやすい殺生地区(草津町)と万座地区(嬬恋村)に硫化水素ガス自動警報装置を昭和52年に設置し、24時間自動的に濃度を測定。危険濃度に達すると予報と警報の放送が流れる仕組みとなっている。また、立入禁止の標識、防護柵を設け立入を禁止しています。
なお、地元(草津町・嬬恋村)としては、協議会の組織である監視部会の活動により、白根山系に点在する29ケ所の硫化水素ガス自噴箇所について、年4回(2月・5月・7月・10月)定期的に現地に出向き、硫化水素ガスの濃度、地熱、植生の観察、看板及び防護柵の点検を行っております。
※現在新たな噴気場所は確認されていません。
【危険区域の啓発】
それぞれの硫化水素ガス自噴地帯には立入禁止看板や防護柵を設けてありますが、この他、全体の危険区域図を表示した大型案内板を設置して利用者に注意を呼びかけています。 (草津町) ロープウェイ山麓駅横・白根レストハウス横・芳ケ平ヒュッテ横
(嬬恋村万座地区) 県道交差部・空吹き地区
※危険地帯には近寄らないようにして下さい。
【夏期と冬期の噴気箇所について】
・夏期(4月下旬から11月中旬)
志賀草津高原ルート(国道292号)開通時は、草津地区では殺生河原や芳ヶ平付近の遊歩道沿いにも硫化水素ガスの発生している箇所があり、防護策が敷かれています。
特に殺生地区では、天候等の影響で硫化水素ガス濃度が一時的に上昇し、自動警報装置から警報音(ブザー音及び音声)が鳴る場合があります。特にこの際は絶対に噴気箇所に近寄らないでください。
また、柵などで立入禁止規制されている区域には絶対に入らないでください。
・冬期(11月中旬から4月下旬)
志賀草津高原ルート冬期閉鎖時は、噴気箇所のほとんどが積雪により近寄れない状態にあります。
しかし近年では、スノーシューなどで冬山登山を楽しむ人たちが増えており、草津白根山周辺に赴く登山者もいます。
当町では草津国際スキー場にてツアーコースを設定し、コース以外には立ち入らないよう、パトロール隊が啓発しています。
このコース付近にも硫化水素ガスの噴気地帯(主に湯釜火口より北側から北東500~600m付近)がありますので、ツアーに出かける際は必ずパトロール隊の指示に従ってください。
※ツアーコースの概要については、草津温泉スキー場(0279-88-8111)までお問い合わせください。
また、冬期での硫化水素ガス噴気地点では、地熱があるため、その影響で自然の雪洞ができる場合があります。
見た目では雪が積もっているだけに見えますが、噴気箇所での雪洞はその下が空洞であり、「ガスだまり」ができていることがあります。コース付近の噴気地帯には警告看板が
設置してありますので、立ち止まらずに、また噴気箇所に近寄らずに速やかに通過してください。
【硫化水素ガスの特性】
硫化水素ガスは、空気よりも重いため、地表に沿って滞留します。
よって、天候が曇で無風状態の場合には、ガスが拡散しないため、噴気地帯のガス濃度が高くなる場合がありますので、その日の天候状態には特に注意が必要となります。
※噴気地帯付近の「窪地」や「沢」などには入らないでください。
【その他】
前述しましたとおり、草津白根山及び本白根山は現在活動中の活火山です。火山ガスのほかに、火山の状態についても十分な注意が必要です。
[ 参 考 ]
・硫化水素ガス毒性基準
濃度(ppm) | 濃度による主な症状 |
0.03 | 臭気を感じる |
3 | 強い臭気 |
10 | 目に刺激 |
50~100 | 鼻・喉に刺激 |
100~200 | 1時間~8時間で生命危機 |
600 | 30分で致命的な急性中毒肺刺激と呼吸麻痺で生命危機 |
1,000~1,500 | 数分間で死亡 |
《草津白根山における硫化水素ガスに関する問い合わせ》
草津町役場愛町部総務課 0279-88-0001
このページに関するお問い合わせ
愛町部 総務課
- 電話番号:0279-88-0001
- FAX番号:0279-88-0002