○草津町景観まちづくり大規模行為指導基準

平成二十六年六月九日

告示第二十七―一号

草津町景観まちづくり条例(平成二十六年条例第十七号)第二十三条第一項の規定に基づき、大規模行為指導基準を次のように改め、平成二十六年十月一日から適用する。

Ⅰ 大規模建築物の新築、増築、改築、移転又は撤去

【湯畑地区】

・妻入り屋根の家並みやそこから延びる通りや路地の魅力を高め、温泉情緒溢れる「和」の街なみ、自然を感じる街なみ、景観資産を引き立てる街なみ及び素材感と落ち着きのある色調の残る街なみ、そして湯畑をより魅力的に輝かせる街なみづくりに努めること。

【西の河原地区】

・通りの形状やヒューマンスケールの家並みなど、歴史的に受け継いできたまちの骨格を大切にしながら、時代の積層による味わいと懐かしさが感じられる街なみづくりを通して、そぞろ歩きの楽しい場所を提供できるよう努めること。

【滝下地区】

・せがい出し梁づくりを中心に滝下通りが歴史的に受け継いできた和の家並みや温泉旅館街の雰囲気を守り育てるとともに、滝下通りから大滝乃湯に至る街なみ全体の質の向上に努めること。

【中央通り地区】

・景観を阻害している要因を改善しながら、草津温泉街の玄関口として、お客様をお迎えする心をまちなみに表現していくとともに、商店街としてのにぎわいや坂の町としての魅力を取り戻すことを通して、地元の旅館や商店の活気溢れる「草津下町情緒」が息づく街なみづくりに努めること。

【地蔵地区】

・温泉場「地蔵町」としての風情を取り戻すこと、坂の町・路地の町としての魅力を高めることなどを通して、湯巡りとそぞろ歩きが楽しくなる街なみづくりに努めること。

【周辺住宅区域】

・居住者の生活環境の維持・向上の視点に立ち、落ち着きと温かみの感じられる住宅地の景観づくりを目指す。また、隣接する温泉街中心部(景観形成重点区域)の街なみとの連続性や調和に配慮すること。

【リゾート区域】

・草津町にとつてかけがえのない地域資産である草津白根の雄大な自然景観の保全と、居住者・長期滞在者の生活・滞在空間の改善・向上の視点に立ち、洗練された高原リゾート地としての雰囲気が感じられる空間づくりに努めること。

【農地・住宅区域】

・美しい田園風景の保全と居住者の生活環境の維持・向上の視点に立ち農地・家庭農園、および森林・河川などの自然環境と調和のとれた集落景観づくりに努めること。

また、本区域の魅力的な風景の中核を担う農地や家庭農園を保全し、農業の営みの継承に努めること。

【高原区域】

・用途地域内におけるまとまりのある市街地の形成と、本区域における山岳・山林の風景や自然環境の保全のため、本区域の開発を可能な限り抑制する。やむを得ず開発する場合は、自然環境と調和のとれた道路、建物等による景観形成に努めること。

【沿道景観区域】

・車窓から眺める草津白根の山々や沿道の緑の確保、街なみの調和・連続性の創出などを図ることにより、草津温泉の「主要道路」かつ「玄関口」としての風格と落ち着きの感じられる街路空間の形成に努めること。

Ⅱ 沿道景観区域における塀、柵、垣その他これらに類するもの

・草津白根の山々などの遠景の緑と、沿道の緑を確保すること。

・建物の高さの制限、沿道緑化(街路樹、植栽等)、無電柱化に努めること。

・塀、柵、垣はできるだけ低くし、生け垣をするか自然環境と調和した素材や色彩に配慮すること。

・街並みの調和・連続性をつくるよう努めること。

・建物の高さ、壁面の色等の調和を図り、素材感のある外壁材等の使用に心がけること。

・看板類の修景・統一化に努めること。

・青空駐車場の修景(植栽、自然素材のフェンスの設置などを含む。)に努めること。

・歩行者の安全性・快適性を確保するため、歩道の整備や街灯(暖色化の修景などに努めること。

Ⅲ 宅地の造成その他土地の区画形質の変更

【環境の保全】

・地形や植生、水系など既存の自然条件を景観要素として生かし、周辺の景観を阻害しないよう環境の保全に十分に配慮すること。

【土地の形状】

・区画形質の変更方法については、周辺の景観との調和に配慮すること。

・残土の搬出又は不足土の搬入を必要とする場合には、防災及び自然環境の保全について十分に配慮するとともに、廃土処理については、その方法を明確にすること。

・現況地盤の勾配が三〇度以上である施工区域内の土地については、区画形質の変更を行わないこと。

Ⅳ 地形の外観の変更を伴う鉱物の掘採又は土石等の採取

【鉱物の掘採又は土石等の採取】

・掘採は、階段採掘法とし、すかし掘工法は行わないこと。

・廃土処理については、その方法を明確にすること。

【遮へい及び事後の措置に関する基準】

・周辺の道路等からの遮へいに配慮した敷地周囲の緑化を行うこと。

・掘採または採取後の法面等は、周辺景観との調和に配慮し、十分な緑化を行うこと。

【土地の形状及び緑化に関する基準】

・大規模な法面及び擁壁を生じないようにし、やむを得ない場合は、緩やかな勾配とし、十分な緑化を行うこと。

・擁壁は周辺景観との調和に配慮し、全面の緑化や遮へい樹林等による影響の軽減を行うこと。

・敷地内にある良好な樹林、樹木、河川、水辺等を保全し、従前の近接性を担保するとともに、積極的に活用すること。

【法面又は擁壁の外観及び緑化】

・区画形質変更後の法面保護等の事後処理については、周囲の景観との調和に配慮し、緑化に努めること。

・擁壁の形態は、周辺と調和するものとし、材料はできるだけ自然と調和したものを使用すること。

Ⅴ 景観形成重点区域又は沿道景観区域の屋外における物件の堆積又は貯蔵

【集積又は貯蔵の方法及び遮へいに関する事項】

・道路等から堆積物が見えないよう配置を工夫すること。それが困難な場合は、堆積物の高さをできるだけ低く抑え、堆積物の周囲を木柵や生垣で囲うなど、周囲の景観との調和を図ること。

Ⅵ 木竹の植栽又は伐採

【植栽】

・施工区域内の表土を活用すること。

・既存の木竹を移植・活用し、修景にいかすこと。

・特に、道路や隣接地との境界については、緑化に努めること。

【伐採】

・既存の木竹の伐採は必要最小限とすること。

・道路に面する部分や隣接地との境界については、木竹の伐採を避けること。やむを得ず伐採する場合は、移植又は代替え植栽に努めること。

Ⅶ 屋外広告物の表示若しくは屋外広告物を掲出する物件の設置又は外観の変更

・自家広告物以外は設置しないこと。

・景観を阻害しないよう適正な規模及び位置に設置すること。

・周辺に圧迫感、不快感及び強度の刺激感を与えないよう意匠、色彩に配慮し、自然環境と調和した落ちついたものとすること。

・反射光のある素材又は蛍光色の使用は避けること。

・建築物本体やオープンスペースに設置する広告、看板等は集約し、数、高さ、表示面積は必要最小限にまとめるよう努めること。

・建物を利用する場合は、形態、色彩、取付を建物と一体になるよう努めること。

Ⅷ 地上設置用の太陽光発電装置の設置

【太陽光発電装置(土地に定着するもの)

・装置の最上部の高さは三メートル以下とすること。

・道路等から装置が見えないよう配置等を工夫すること。

・装置の周囲を自然素材等の柵等で囲うなど、周囲の景観との調和に配慮すること。

・装置の色(ソーラーパネル、ソーラーパネルのフレーム及び配管を含む。)は黒色系を基本とし、自然風景地としての景観に配慮すること。

・装置の反射光が景観を阻害する要因とならないよう配置、角度等を工夫すること。

Ⅸ その他

【温泉源保護】

・建築物等を建設するに際しての地質ボーリング及び基礎工事等においては、事前に町長に申し出て指示を得るものとし、温泉源に影響をおよぼすことのないようにすること。

・地下水位保全のため、地下水位以下の切土は極力抑えるものとし、浸透桝や地下浸透管を適正な規模及び位置に可能な限り設置し、雨水の地下浸透に努めること。

【用水】

・宿泊人員が百人を超えるホテル、旅館、保養所、マシション等については、水源の渇水期等の対策として、用水需要量の最低二日分の受水槽又は節水設備等を設けること。

・用水の確保において、草津町給水条例(昭和三十四年条例第三号)草津町水道事業の設置等に関する条例(昭和四十三年条例第十一号)及び草津町前口簡易水道事業設置条例(昭和五十年条例第十八号)に定める給水区域内の場合は、これらの上水道を用いるものとする。

・町の上水道又は前口簡易水道以外の用水を確保し、飲用として使用する場合においては、薬品等による適正な処理が行われるものであり、用水の取水によつて他の水源等の枯渇又は汚染等が発生しないよう十分配慮すること。

【排水処理施設】

・区域内から排出されるし尿(くみ取り便所であるものを除く。)及び雑排水は、すべて管渠により集水し、処理施設において処理した後管渠により河川又は水路に許可等を受けて放流するものであること。また排水施設の規模は区域の計画人口(ピーク時)を基準として定められているものであること。

・し尿(くみ取り便所であるものを除く。)及び雑排水は、原則として集中一括処理による活性汚泥法によるものであること(終末処理施設を有する下水道に汚水を放流する場合を除く。)。ただし、やむを得ない事情があるときは、集中合併処理方式によるし尿浄化槽(建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第三十二条第一項の規定による基準に適合したものをいう。以下同じ。)により処理するものとし、小規模のものについてのし尿は、各戸において浄化槽で処理するものとする。

・終末処理施設からの放流水の水質基準は、下水道法施行令(昭和三十四年政令第百四十七号)第六条の規定に準拠したものとし、し尿浄化槽の場合には、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(昭和四十六年厚生省令第三十五号)第四条第二項の規定に定める基準に適合するものであること。

・雨水の排水は、開渠又は管渠により集水し、河川又は水路に放流するものとし、排水能力は区域内のみならず、地形等の状況により集水範囲となる周辺地域も含めたものであるとともに、その放流先となる河川等は当該雨水の流下能力を有するものであること。

・雨水及び汚水の処理設備は、処理方法・能力を適切なものとし、防災及び自然環境の保全について十分配慮し、放流先から環境汚染を生じないよう行うとともに、施設の整備及び維持管理はすべて事業者が行うものとすること。

・既設の処理施設の付替、改良、占用及び廃止を計画しているときは、関係機関等の許可等が終了し、整備計画、維持管理計画及び費用負担が明らかであること。

【廃棄物等処理施設】

・一般廃棄物(ゴミ)の処理については、ゴミ集積所(ゴミネット等を含む。以下「集積所」という。)及び収集車両等必要に応じて柔軟に対応するものとし、特に集積所については、設置場所、収集方法及び管理方法等について、町と調整し、必要な措置を講じること。

・し尿処理施設(処理対象人員五百人以下のものを除く。)及びゴミ処理施設で廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第二十一条に該当する施設は、同条に定める有資格の技術管理者を置くこと。

・処理施設から汚泥等の排出が予定される場合は、その処理及び施設の整備及び維持管理はすべて事業者が行うものであること。ただし、町の処理施設によつて処理されることとなつたものについては、この限りでない。

【温泉・温水引湯】

・草津町が所有又は管理する温泉の引湯を希望する場合は、草津町温泉使用条例(平成十六年条例第二十二号)の定めるところにより申請するものとする。

・温泉を草津町が所有又は管理する温泉以外において引湯を希望する場合は、温泉を採取する方法及び場所等についてあらかじめ町と協議し、その採取の方法等が他の源泉等に影響を与えることがないときにおいて温泉法(昭和二十三年法律第百二十五号)による許可を申請し、許可を受けるものであること。

・温水の引湯を希望する場合は、草津町温水給湯条例(昭和五十一年条例第七号)の定めるところにより申請するものとする。

【公害防止】

・建築工事等による騒音を最小限にとどめるための措置を講じること。

・建築物等により近隣の住宅、道路、水路等に風雪による障害が発生しないよう配慮するとともに、雪庇対策等を講じること。

・公害防止にもかかわらず公害が発生したときは、ただちに発生源に必要な措置をほどこし、公害を除去するものとすること。

【道路】

・既設道路を付替、改良、占用及び廃止を計画しているときは、関係機関の許可等が得られる見込みであること。

・区域外の既設道路(取付道路の接続が可能な道路)への取付道路(主要な道路の一部とみなす。)の整備計画が適正であること。

・取付道路を接続する既設道路の幅員は、六メートル以上であること。

・主要な道路(取付道路を含む。)の幅員は、開発区域の規模に応じて、原則として次表に定める幅員以上とし、道路には原則として歩道及びセンターラインが設けられるものであること。ただし、歩道の設置については、地域の状況及び交通量等により歩行者の安全が確保できるものについてはこの限りでない。

開発区域の面積区分

幅員

備考

〇・一へクタール以上〇・五へクタール未満

六・〇メートル以上

一〇メートル以下の小区間で車両及び歩行者などに通行上支障ない場合は、四メートルとすることができる。

〇・五へクタール以上一・〇へクタール未満

六・五メートル以上


一・〇へクタール以上三・〇へクタール未満

七・〇メートル以上


三・〇へクタール以上五・〇へクタール未満

八・〇メートル以上


五・〇ヘクタール以上

一〇・〇メートル以上


・道路の路面は景観に配慮した舗装材等を使用し、安全かつ円滑な交通に支障を及ぼさない構造のほか、縦断勾配六パーセント以上の路面はすべり止め舗装とし、冬季の凍結等に十分耐える構造であること。

・道路の縦断勾配は九パーセント以下とするものであること。ただし、地形の状況等の理由によりやむを得ないと認められるものに限り、一二パーセント以下とすることができる。

・道路の屈曲又は交差部分は、車両の安全かつ円滑な走行を確保するため、適正なすみ切りがされているものであること。

・道路は、原則として行き止まり道路でないこと。ただし、延長三五メートル未満の道路及び延長が三五メートル以上の道路であつても当該道路が他の道路へ接続を予定されている場合又は当該道路を通行するであろう車両を考慮して、回転広場、車返し及び避難通路が設けられ、交通安全上及び避難上支障ない場合は、この限りでない。

・道路のうち、もつぱら歩行者の通行の用に供するもので、地形等の状況によりやむを得ないものについては、階段道路とすることができる。この場合において階段の路面、けあげ、踊場が適正であるとともに階段の両側若しくは中央に手すりが設けられるものであること。

・道路等の法面は、地質等を考慮した安全な構造とし、周囲の景観と調和していること。

・道路には、交通安全上必要においてカーブミラーやガードレール等が設置されるものであること。

・交通安全施設の整備及び維持管理は、すべて事業者が行うものであること。

【駐車場】

・周辺地城の景観を阻害することがないよう、及び、利用者の利便を考慮して、適正な規模及び位置に配置し、特に沿道については周辺部や場内における緑化等に配慮するとともに、出入口等については交通安全を確保すること。

・分譲マンショシの開発事業者は、原則として開発区城内に分譲計画戸数の二分の一以上の駐車場を設置すること。

・旅館、ホテルの事業者は、原則として宿泊部屋数の三分の一以上の駐車場を確保すること。

【文化財保護】

・区域内において埋蔵文化財が発見されたときは、ただちに関係機関に通報するとともに、現状を保存するため工事を中止するものであること。

【消防水利施設】

・消防水利施設は、町の指示に基づき事業者により適正な規模及び能力で配置・整備し、施設完成後無償にて町に移管するものであること。

【公園、緑地】

・公園の面積は、開発区域の面積三へクタール以上のものにあつては、開発区域面積の三パーセント以上、開発区域の面積が三へクタール未満のものにあつては地域の状況等により必要な面積を確保するものとし、他との均衡を著しく損なわないよう配慮されているものであること。

・緑地(グリーンベルトを含む。)は、開発区域の開発目的等を勘案し、より多く設置するものとする。

・区域内に設置される公園や緑地は、地域の景観にとつて有効な配置であり、周辺地城に対しても潤いを与えるものとなるとともに、災害時の避難等の利便を考慮して配置されるものであること。

・区域内の公園及び緑地の整備及び維持管理は、すべて事業者又は地域の管理組合等が行うものであること。

【災害防止】

・宅地造成等規制法(昭和三十六年法律第百九十一号)の定める宅地造成工事規制区域における宅地造成に関する工事の技術的基準等にしたがつて地盤、擁壁、排水施設等を施工し、開発区域及び周辺地域においてガケくずれ又は土砂の流出等の災害が発生しないよう万全の措置を講ずること。

・造成又は建築物等の工事中における災害の発生を防止するため必要な措置がとられているものであり、万一災害が発生したときは、速やかに原因を除去するとともに、復旧作業がとられるものであること。

【その他の施設】

・街路灯については、道路、歩道、公園、駐車場その他必要な箇所にも設けられるものとし、施設の整備及び維持管理は、事業者又は地域の管理組合等が行うものであること。

・電線類等の引き込みや敷地内の配線はできるだけ地中化し、周囲の街なみや稜線の景観に配慮すること。

草津町景観まちづくり大規模行為指導基準

平成26年6月9日 告示第27号の1

(平成26年6月9日施行)

体系情報
第11類 設/第3章 都市計画
沿革情報
平成26年6月9日 告示第27号の1